『謎解き 北斎川柳』--[☆★★]-
2001/09/14(Fri) 10:25 に書いた記事を2005年8月23日Yahoo!版にて加筆訂正
宿六心配(西山新平)著
河出書房新社 刊
1800円
- 作者: 宿六心配
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
葛飾北斎は川柳作家でもあった。
というより、当時川柳ブームだったため、
誹風柳多留
の中に、公認されているだけで182句有るという。
第85巻では序文まで書いている。
さらに著者は画号の変遷を手掛かりに、
偽本と言われる後世の新誹風柳多留まで射程に入れて
著者は666句を葛飾北斎の作品とする。
その上での著者の解説。
で、北斎の句かぁ、って読むほど深みは川柳だから無い。
でもって、この著者の解説が色事に走りすぎる嫌いがあって、
何でもかんでもエロネタのように解釈して解説していく。
もちろん江戸の世で、
男の遊びは遊郭、女の遊びは芝居見物、
という時代だから色事ネタも元々多いけど。
読んでてそのあたりは少し辟易する。
ただ、江戸の文化を(注)で説明してる部分などは
かなり面白い。不義密通の示談金の相場が3両とか、
吉原言葉の様々など、この部分だけは読む値打ち有り。
全体としてはあんまり「謎解き」していない分、
減点、エロ解釈を指向しすぎてる嫌いで★もひとつ。
江戸の人々ってそんなにベタだったんだろうか。
そんなもんかも知れないけどさ。